What's a computer? で考える iPhone と iPad しか持っていないお友達
最近、プライベートな友達で iPhone と iPad は持っているけどパソコンは持っていないという具合な人がやたらと増えています。Apple の最新CMでも "What's a computer?" ってのが出ましたね。
この社会の流れ(と呼ぶにはいささか大げさだけど)は我々の業界、そういった端末で使うサービスやアプリを作っている人間にとっては数年前までと違う考え方やアプローチを考えさせられたりと、大きな影響があるわけです。
スマホとタブレット、そして(時代遅れの?)パソコン
30代〜60代くらいの世代、パソコンとインターネットの普及の流れと共に生きてきた世代にとっては、まだまだパソコンというものが根付いている感もあります。しかしタッチスクリーンネイティブな世代(10代〜20代前半)や、タブレットのおかげでインターネットと仲良くなれたシニア世代にとっては、もっとも身近なコンピューターはスマホでしょう。上に挙げた CM でも暗示されている通り、もはやそいつはコンピューターなんて専門的な言葉で呼ぶ余地もなく、ただ単にネットにアクセスする(これすらも意識されていないことが多い)ためのツールでしかありません。また、誤解を恐れずに言えば、スマホの経験の延長線上で使える、手軽でパーソナルだけど、スマホよりも重い作業ができたり大きな画面でコンテンツが楽しめるものがタブレットであるのでしょう。基本的に両者の特徴的操作方法に差異はありませんし。
そこでちょっと技術的なお話
タブレットやスマホでは CSS の :hover のようなマウスカーソルの動きによって機能するような擬似クラスはあまり意味をなさなくなります。ちょっと大げさに言うと、入力インターフェイスがマウスとキーボードだった時代のデザイン的アプローチの常識が機能しなくなってきているわけです。
例えば clickable(tappable)な要素を表現するために、擬似クラス :hover を用いたようなアプローチだけでなく、他のアプローチもウェブサイトを構築していく上で考える必要がある時代なわけですね。
これに対するデザイン的アプローチの解はもちろんひとつだけでなく、いろいろあるわけですが・・・それは適材適所に検討、採用していくのが好ましいでしょう。例えば俗に「ハンバーガー」と呼ばれるあれも、わかりにくいとの声がある一方で一般的にハンバーガーはタップすればメニューが出るとの認知が高くなっていることもあり、どれが正しいなどと簡単に論じることもできなくなっています。
最後にちょっと余談。
ノートパソコンのバッテリーが2時間くらいで切れちゃうのが当然のような時代を過ごしてきた人としては、ウェブを見ながら文章を書くとかのハードウェアの負荷としてはライトな作業(例えばこの記事を書くようなこと)をしている分には10時間くらいやっててもバッテリーが切れることがないって素晴らしいですね。
例えば今自分が大学生とかであったなら、教科書が電子書籍でウェブで文献とかを調べながら、レポートを書く・・・みたいな一連の学生としてやらなければならないことが iPad 一台あればできちゃうんだろうなー、なんて思うと、今の時代に生きる学生がちょっとだけ羨ましくもあったりします。