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2019月09日06日

SONY VAIO PCG-C1R と iSight カメラ

iSight

Slackのビデオチャットの話を書いていて思い出したので、久しぶりにちょっと仕事ネタから外れたガジェットネタでも書いてみましょうか。

ただしみんな気になるような最新ガジェットネタではなくて、正反対の回顧録的になりますが。

SONY VAIO C1シリーズ

あれはまだ90年代、20世紀の世紀末近くの1998年の話。SONYが当時としてはとんでもないPCを市場に投入しました。VAIO C1です。今でも公式ページがあったのでリンクにしておきました。

何がすごかったって、当時まだスチール用のカメラがフィルムカメラからデジタルカメラに移行すらしていない時代に、画面の上にビデオカメラが搭載されていたんです。

もちろん21世紀になってすでに20年近く経った今になってみればとんでもなく低いスペックなのですが、PCのモニタの上部にカメラがついているというアイデアはそれ以上にとんでもなく画期的なものでした。

当時はインターネット接続もネット回線もまだダイアルアップの従量課金制な上に、今ではスマートフォンの通信量がオーバーした時の規制速度である 128kbps のさらに半分の 64kbps なんて通信速度が速いともてはやされていた時代です。YouTube もなければニコニコ動画もないし、調べてみたらVAIO C1は1998年9月発売なのですが、ちょうど同じ頃にGoogleはやっと法人格を取得しています。もちろん、そんなGoogleはまだ日本で知られることもなく、検索エンジンといえばYahoo! JAPANのカテゴリ検索か、Infoseekの使えないロボット検索が悪名を轟かせていた頃の出来事です。

このくらい書けばどのくらい昔かわかるでしょう。そんな時代にPCにカメラが付いたのはすごい話だったんです。

iSight カメラ

もちろん、そんな時代背景だったので、そのPCに搭載されたカメラで今でいう生放送をやることもできない(そもそも誰もそういう発想がない)ですし、主たる用途は写真 or 動画のただの撮影でした。

そしてその5年後、iSight カメラが発表されます。

2019年になった今でこそ PC も Mac も iPhone などのスマートフォンもカメラなんて付いているのが当然(そしてそれらがなければこの連載で書いているようなリモートワークは実現できません)になっていますが、この頃はやっと携帯電話にカメラがついているのが普通になったくらいの時代でした。

ただ1998年から2003年の5年の間に、日本ではブロードバンド元年と言われた2001年以降、常時接続の高速インターネット回線(ただし当時はブロードバンドは固定回線のみで、モバイルではやっぱり 64kbps の通信速度が普通でした)が普及したおかげもあって、ビデオチャットも少しずつ日常で使えるようになってきました。

今はもうその名称が存在していませんが、iChat AV(現在の iMessage、FaceTime がその機能を引き継いでいます)で当時はビデオチャットをしたものでした。

ちなみに今ではよく知られる Skype は時をほぼ同じくして2003年の夏にやっとβ版がスタートしていますが、その Skype がビデオチャットに対応するのはさらにその2年ちょっと後の2006年1月の話です。

そしてやっとリモートワークが普通と呼べる時代へ

弊社の設立は2008年12月です。

埼玉県戸田市のオレンジキューブでアトトックが産声をあげたのが、ちょうどビデオチャットがやっと普及し出した少し後のことなわけです。

そういった意味では、「過去の働き方の遺産」を悪い意味で継承することなく、会社が誕生した時点ですでに「現在の働き方」の土壌ができていたこと、これも社内にリモートワークが違和感なく日常的なものとして浸透している理由のひとつなのかもしれません。

今回は少し普段のラボ記事から脱線して書いてみました。また次の記事も同時進行でいっぱい書いているので、近いうち(目指せ来週前半)に公開しようと思います。



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株式会社アトトックメンバー が技術の話、デザインの話、キャラクターの話、ときどき脱線してガジェットの話やライフハックの話など好きなことを書いています。


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